介護派遣の時給相場はいくら?資格・施設別比較と収入アップの4つの方法

- 今の派遣先の給料に不満がある
- 介護派遣の時給はどれくらいなのか知りたい
- 介護派遣でもっと効率よく稼いで、自由に使えるお金を増やしたい
介護職はやりがいがある一方、収入が少なく将来に不安を感じる方も多くいます。
この記事では、介護派遣の時給相場や介護派遣が高時給になる理由、時給をさらに上げる方法などを解説します。
記事を読めば介護派遣で働くメリット・デメリットがわかり、収入アップの実現が可能です。
介護派遣では資格の取得や働き方の工夫によって正社員以上の高時給を目指せます。収入と自由な働き方を両立したい方にとって、介護派遣は有力な選択肢です。
介護派遣の時給相場

介護派遣の時給相場について以下の点を解説します。
- 資格別の時給
- 施設別の時給
- 介護派遣と正社員の時給比較
資格別の時給
介護派遣の時給は専門性の高い資格を持っているほど高くなります。資格別の介護派遣の時給相場は以下のとおりです。
- 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級):1,300~1,500円程度
- 介護福祉士実務者研修:1,400~1,600円程度
- 介護福祉士:1,500~1,800円程度
- 看護師・准看護師:1,800~2,500円以上
無資格・未経験者の介護派遣の時給は1,200~1,400円程度です。資格がなくても介護派遣として働けますが、時給は最も低い水準になります。
介護職員初任者研修は介護の入門資格で、無資格よりも時給が高くなります。より専門性が高い介護福祉士実務者研修を修了すると、さらなる時給アップが可能です。
介護分野で唯一の国家資格である介護福祉士や医療行為ができる看護師・准看護師は需要が高く、高時給が期待できます。
施設別の時給

働く施設の種類によって介護派遣の時給は大きく変わります。施設ごとの時給の違いは以下のとおりです。
- 特別養護老人ホーム
- 特別養護老人ホームの介護派遣は体力を使う身体介護が中心のため、時給は比較的高めです。
- 介護老人保健施設
- 介護老人保健施設の介護派遣では医療的なケアが求められるため、高時給が期待できます。
- 有料老人ホーム
- 有料老人ホームの介護派遣は施設の設備やサービス内容によって時給に差があります。高級な施設の介護派遣ではより高い時給が設定されます。
- グループホーム
- グループホームの介護派遣では認知症の方への専門的なケアが中心です。グループホームの介護派遣の時給は標準的ですが、夜勤の回数によって変動します。
- デイサービス(通所介護)
- デイサービスの介護派遣は夜勤がなく日中の勤務が基本のため、入所施設に比べて時給は低めです。
- 訪問介護事業所
- 訪問介護事業所の介護派遣では利用者の自宅を訪問して介護を行います。体を動かす身体介護は時給が高く、家事などを手伝う生活援助は時給が低くなる傾向です。移動時間が介護派遣の時給に含まれるかどうかは派遣会社への確認が必要です。
- 病院・クリニック
- 病院・クリニックの介護派遣は看護師さんの補助が主な仕事です。病院・クリニックは医療機関のため、介護派遣の時給は高い傾向にあります。
24時間体制の入所施設や医療的なケアが必要な職場では、介護派遣の時給が高くなる傾向があります。
介護派遣と正社員の時給比較
正社員は月給制で収入が安定していますが、時給に換算すると介護派遣より低く見える場合があります。
介護派遣の時給には、正社員のボーナスや退職金にあたる金額があらかじめ上乗せされているためです。
しかし、ボーナスや各種手当などをすべて含めて比較すると、年間の総収入は介護派遣より正社員の方が高くなる傾向にあります。
短期的な収入を増やしたい場合は介護派遣、長期的な安定と生涯にわたる収入を重視する場合は正社員を選びましょう。
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介護派遣が高時給になる3つの理由

介護派遣が高時給になる理由は以下の3つです。
- 介護業界は慢性的な人手不足だから
- 即戦力が求められるから
- 採用コストを削減できるから
介護業界は慢性的な人手不足だから
介護派遣が高時給になる理由は、介護業界で慢性的に人手が不足しているためです。日本は少子高齢化が進み、介護を必要とするお年寄りが増え続けています。
一方で働く世代の人口は減っており、介護の担い手は不足しています。仕事の大変さや「汚い」「危険」などのイメージが根強いことも、介護業界に人が集まりにくい原因です。
正社員を募集しても応募が少なく、多くの介護施設では常に人手が足りず困っているため、派遣会社に頼ってスタッフを確保します。
即戦力が求められるから

採用後すぐに活躍できる即戦力が求められていることも介護派遣の時給が高くなる理由の一つです。
介護施設では産休・育休や急な退職によって、人手を早急に補充しなければならない場面が多くあります。
介護施設側は高い時給を支払ってでもすぐに現場で働ける人材を確保したいと考える傾向があります。
正社員と異なり、介護派遣は長期的な育成を前提としていません。研修にかかる時間や費用を削減できることから介護派遣の需要は高まっています。
採用コストを削減できるから
介護施設側は職員を直接雇うよりも介護派遣を受け入れる方が費用を大きく抑えられます。介護派遣を受け入れると、介護施設は以下のコストを削減できます。
- 求人広告費
- 人材紹介会社への手数料
- 選考・面接にかかる時間
- ボーナス・退職金
- 社会保険料
- 事務作業にかかる時間
介護施設側が削減できたコストの一部が介護派遣の時給に上乗せされています。
介護派遣の時給をさらに上げるための4つの方法

介護派遣は基本的に時給が高めですが、さらに時給を上げるためには以下の方法があります。
- 上位資格を取得する
- 夜勤にチャレンジする
- 時給交渉を行う
- 高時給の派遣先を見つける
上位資格を取得する
介護派遣の時給を上げる確実な方法は上位資格を取得することです。専門的な知識やスキルを証明できる資格があれば資格手当が支給され、より専門性の高い仕事を担当できます。
具体的には、以下の資格を取得すると時給アップが期待できます。
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士実務者研修を修了するとサービス提供責任者として働けるようになり、介護派遣の時給アップにつながります。
- 介護福祉士
- 介護福祉士は介護系で唯一の国家資格であり、資格手当による介護派遣の時給アップを狙えます。
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- ケアマネジャーの資格を取得すると利用者さんのケアプランを作成するなど、介護派遣としてより専門的な仕事を担当できます。
- 喀痰吸引等研修
- 喀痰吸引等研修を修了すると痰の吸引やチューブを使った栄養補給などの医療ケアが可能になり、介護派遣の仕事の幅が広がります。
- 認定介護福祉士・認知症ケア専門士
- 認定介護福祉士・認知症ケア専門士は特定分野の専門性の高さを証明できるため、介護派遣のキャリアアップにつながります。
上位資格の取得は、介護派遣の時給アップとキャリアアップを同時に実現できるおすすめの方法です。
夜勤にチャレンジする

夜勤にチャレンジすると日中の仕事よりも高時給が期待できるため、少ない勤務日数で収入アップを実現できます。夜間の勤務は法律で時給を25%以上高くすることが決められています。
派遣先によっては深夜割増賃金に加えて独自の夜勤手当が支払われるケースもあり、さらなる時給アップが可能です。
夜勤にチャレンジすると平日の日中を自由に使えるため、プライベートを充実させたい方にもおすすめです。
時給交渉を行う
派遣会社に働きぶりやスキルを正しく評価してもらえると、介護派遣の時給が上がる可能性があります。
時給交渉の際は、介護派遣としての実績や派遣先での貢献度を派遣会社に具体的に伝えましょう。
新しく取得した資格やスキルアップした点も介護派遣の時給交渉時のアピール材料になります。
介護派遣の時給交渉は契約更新時に行うとスムーズです。時給の交渉相手は派遣先の介護施設ではなく、雇用主である派遣会社なので注意してください。
日頃から派遣会社の担当者と良い関係を築いておくと、介護派遣の時給交渉がスムーズに進みます。
担当業務の範囲が広がったり責任が重くなったりした場合も介護派遣の時給交渉のチャンスです。時給の交渉時は希望する時給額と根拠を派遣会社に明示しましょう。
高時給の派遣先を見つける
高時給の派遣先を見つける際のポイントは以下のとおりです。
- 複数の派遣会社に登録し、求人情報を比較する
- 介護・看護分野に特化した派遣会社を利用する
- 都市部など、時給の相場が高いエリアの求人に注目する
- 有料老人ホームや訪問介護事業所などの高時給になりやすい施設形態に絞る
- 「急募」や新しい施設のオープニングスタッフの求人を狙う
- 派遣会社の担当者と良い関係を築き、非公開の高時給案件を紹介してもらう
- 派遣求人サイトで時給の高い順に検索し、地域の時給相場を把握する
派遣先の選び方を工夫すると、自分の希望に合った高時給の介護派遣の仕事が効率的に見つかります。
介護派遣で働くメリット

介護派遣で働くメリットは以下のとおりです。
- 高時給が見込める
- 柔軟な働き方ができる
- 多様な職場での経験が得られる
高時給が見込める
介護業界では同じ仕事内容でも働き方を派遣に変えるだけで手取り収入が増える可能性があります。介護派遣では過去の介護・看護経験が時給に直接反映されます。
介護派遣は短時間や短期間の勤務でも効率的に稼げるため、以下の働き方を考えている方にもおすすめです。
- 副業として収入の柱を増やしたい
- 空いた時間でダブルワークをしたい
- つなぎの仕事として短期間で集中して稼ぎたい
収入が増えて生活に余裕が生まれ、プライベートを充実させられる点も介護派遣の魅力です。
柔軟な働き方ができる

介護派遣は自分のライフスタイルに合わせて働き方を自由に選べます。正社員と比べて介護派遣は勤務時間や日数の制約が少なく、プライベートの時間を大切にしながら仕事を探せます。
介護派遣では以下の条件で仕事を選ぶことも可能です。
- 「週3日」や「1日4時間〜」などの短時間勤務
- 「日勤のみ」や「土日休み」などの勤務形態
- 「1か月だけ」などの短期・単発の仕事
- 副業やダブルワークとしての勤務
- 残業が少ない、または無い職場
- 扶養範囲内の勤務
介護派遣では子育てや家庭の事情、副業など、一人ひとりの状況に応じた働き方が可能です。
多様な職場での経験が得られる
介護派遣は契約期間が決まっているため、短期間でさまざまな介護施設を体験できます。
介護施設の種類によって仕事内容や利用者の状態は大きく変わるため、介護派遣では幅広いスキルが身に付きます。
多様な現場を経験することは、自分に最適な職場環境を見つける絶好の機会です。介護派遣では本格的な転職を考える前に職場との相性を確かめられるため、転職後のギャップを減らせます。
介護派遣で働くデメリット

介護派遣で働くデメリットは以下のとおりです。
- 雇用の安定性が低い
- 昇進や昇給が少ない
- 管理職を目指しにくい
雇用の安定性が低い
介護派遣では、契約が必ず更新されるとは限らない点を常に頭に入れておく必要があります。契約が終了した場合は次の仕事が見つかるまで収入がなくなるため、注意が必要です。
派遣先の経営状況や人員計画の変更など、自分自身の働きぶりとは関係ない理由で介護派遣の契約が終了することもあります。
昇進や昇給が少ない

介護派遣は定期的な昇給やボーナスが少なく、福利厚生も正社員と比べて手薄です。
派遣先の昇進・評価制度の対象外となる場合が多く、介護派遣では日々の頑張りが時給アップに直結しにくい傾向があります。
介護派遣の時給を上げたい場合は契約更新のタイミングで派遣会社との時給交渉が必要です。安定した昇給やキャリアアップを重視する方には介護派遣は向いていないと言えます。
管理職を目指しにくい
介護派遣は即戦力として期待される一方、長期的な育成の対象とは見なされにくい傾向にあります。
介護派遣は業務範囲が契約で定められており、人材育成や施設運営などの管理業務を経験する機会はありません。
契約期間も決まっているため、1つの職場で介護派遣として経験を積み重ねて昇進を目指すことは困難です。
将来的に施設のリーダーや管理者としてキャリアアップを考えている場合、介護派遣で働くことは目標達成の遠回りになります。
介護派遣の時給に関するよくある質問

介護派遣の時給に関するよくある質問は以下のとおりです。
- 介護派遣の契約期間はどのくらい?
- ボーナスや有給休暇はある?
介護派遣として働き始める前に、労働条件をしっかり確認しておくと安心です。
介護派遣の契約期間はどのくらい?
介護派遣の契約期間は派遣先の介護施設によって、1か月程度の短期から6か月以上の長期まで幅があります。
一般的には2〜3か月ごとの契約更新制が多く、派遣先との合意があれば介護派遣として働き続けることが可能です。
ただし、同じ派遣先の同じ部署で働ける期間は原則最長3年までです。3年を超えて同じ職場で働きたい場合は直接雇用や無期雇用派遣などの働き方があります。
正社員になることを前提とした「紹介予定派遣」として働くことも可能です。紹介予定派遣の場合、派遣期間は最長6か月です。
ボーナスや有給休暇はある?
介護派遣では時給にボーナスや手当に当たる金額が含まれていることが多いため、原則としてボーナスの支給はありません。
有給休暇は法律で定められた労働者の権利なので、介護派遣の場合でも取得が認められています。有給休暇は6か月以上の継続勤務と8割以上の出勤で取得可能です。
有給休暇の申請や管理は派遣先の介護施設ではなく、登録している派遣会社が行います。
介護派遣は収入や自由度を重視する方におすすめの働き方

介護派遣の魅力は高時給で効率的に収入を得ながら、生活スタイルに合わせて働ける点です。資格や経験を生かせば、介護派遣で正社員以上の高時給を得られる場合もあります。
勤務日数や時間を柔軟に調整できるため、家庭やプライベートとの両立がしやすい点も介護派遣の魅力です。
介護派遣では多様な介護施設で経験を積めるため、介護職としてのスキルアップにもつながります。
時給アップを目指したい方や自分に合った働き方を見つけたい方には介護派遣がおすすめです。