介護職の悩み
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介護職の給料が安すぎる理由!現役介護士の収入アップ体験談も解説

オリジナル画像  お金に衝突する赤い車 「なんで給料上がらんの? 誰か教えて」
jizopapa

頑張って仕事をしてハードなシフトや残業にも対応。

やっと訪れた給料日に明細を見てがっかりしたことはありませんか?

介護職の給料が安い理由を知らないままでいると、給料アップのチャンスも逃しかねません。

私は14年の介護士経験で年収を上げていく人の特徴と給料が上がる職場の特徴を学びました。

この記事では、介護士の給料が安くなる理由と実体験ベースの年収を上げる方法を解説します。

この記事を読んで行動し、将来の不安を解消してくださいね。

本記事を読むメリット

  • 介護職の給料が安い根本的理由がわかる
  • 年収をアップするための方向性がわかる
  • 年収アップした介護士の実体験がわかる
かくと
かくと

まず通える範囲の職場で、給料アップする求人がないか知ること大切です。

転職活動はノーリスクなので、くよくよ悩むより、読んで見て相談してみて!

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この記事を書いた人

  • 介護福祉士14年目
  • 転職で年収アップ
    339万 428万 502万
  • ブラック施設とホワイト施設を経験
  • 介護転職エージェントを4社利用済み

介護職の給料が安すぎる理由

波打ち際の浜辺にthe end
の文字

介護職の給料が安い理由は以下。

理由1|行政の財源による問題

日本の介護保険制度は、『保険料』『公費(国と地方自治体の負担)』『利用者負担』3つの財源で成り立っています。

このうち、公費の割合が限られているため、介護事業所の収入にも影響。

ざっくりと例えるなら、売り上げに天井があるため介護職員の給料は安くなります。

かくと
かくと

必要な資金が十分に確保されにくいという状況ですね。

具体的な原因は以下。

  • 国と地方の財政状況が厳しい
  • 介護報酬が低い
  • 超高齢化による財政の圧迫

私たちはもとより、財源の問題は各事業所の努力でどうにもならないのが現実です。

理由2|介護保険制度の仕組み

介護士の給料が安い理由は「介護保険制度」の仕組みにあります。

介護事業者の利益は7割から9割を介護報酬で賄っており、残りの1割から3割が利用者からの支払いです。


介護報酬の金額は国によって決められ、介護士の給料は介護報酬によって左右されます。

介護報酬とは介護サービスを提供した際に、対価として受け取る報酬のこと。

介護報酬の中から必要な経費などを差し引いた金額が、介護士の賃金に当てられています。

人件費が高い

令和2年度の介護労働実態調査では、施設の収入に対する人件費(給与費)の割合は次の通りです。

施設サービス収入に対する人件費(給与費)
の割合
介護老人福祉施設63.6%
介護老人保健施設61.7%
介護療養型医療施設60.9%
訪問介護77.6%

施設では介護老人福祉士施設(特養)が63.6%と最も高く、訪問介護事業では77.6%にまでのぼっています。

売上高人件費率の平均は小売店で20〜30%、サービス業で40〜60%です。

収入に対する人件費率が6070%以上となる介護事業は、他産業と比べて最も高い水準といえます。


現状では利用者3人に対して1人の職員配置が必要です。介護保険法により人件費を削減するのは難しく、職員一人一人の給与額を抑える必要があります。

理由3|内部留保費の問題

2014年に特別養護老人ホームの内部留保問題が指摘されました。

1施設あたり平均3億円を超えていることが分かり、介護報酬の引き下げを検討された過去があります。

1施設当たり平均内部留保額
発生源内部留保額約3億1373万円
実在内部留保額約1億5563万円
※右にスクロールしてください

定員数が大きな施設ほど、1施設当たりの発生源内部留保額と実在内部留保額は大きくなっています。

特養養護老人ホーム51〜80名81〜100名100名超
発生源内部留保額3億2233万円4億1023万円5億3685万円
実在内部留保額1億5857万円1億8925万円2億4785万円
※右にスクロールしてください

内部留保は経営を維持していくために必要で、多くの有名企業も行っています。

しかし、金額が大きな事業所ほど介護士の給料には反映されていないでしょう。

かくと
かくと

【Joint編集部】によれば、2024年度から財務諸表など経営状況を明らかにする資料の公表を介護事業者に義務付ける方針。

内部留保とは
資産としての意味合いが強く、民間企業であれば企業が生み出した利益のうち社内に蓄えられる部分です。現金ではなく建物や車など、形になっているものもあります。

理由4|介護士の専門性に対する評価

医師や看護師など、他の医療職に比べて介護士の専門性は重視されていません。

特別な資格や学歴がなくても出来るという理由もあるでしょう。

日本介護福祉士会では、介護福祉の専門性を次の3項目で整理しています。

①介護課程の展開による根拠に基づいた介護実践
 利用者の自立に向けた介護過程を展開し、根拠に基づいた質の高い介護を実践する。
②指導・育成
自ら介護等に関する知識及び技能の向上に努めるだけでなく、自立支援に向けた介護技術等、具体的な指導・助言を行う。
③環境の整備・他職種連携
利用者の心身その他の状況に応じて、福祉サービスが総合的かつ適切に提供されるよう、物的、人的、制度的等、さまざまな環境整備を行うとともに、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。

公益財団法人 日本介護福祉士会

介護士は利用者の安心と安全を守り、根拠に基づいた質の高い専門性が重視されます。

しかし、現実には社会に対して介護士の専門性はまだまだ認知されていないのが現状です。

理由5|事業所の努力で利益を上げるのが難しい

事業経営の基本は利益を上げて、コストを下げることです。

介護事業所は介護保険制度の影響で利益に天井があります。

よって、コストを下げ、空床をなくす方法しか利益を上げられません。

根本的に利益に限界があるため、介護士の給料は安くなります。

介護事業所が利益を上げるには経費削減が大前提ですが、現実は離職率が高く経費削減も困難な状況です。

離職率の高い事業所は求人広告費や人件費が高くなる傾向があります。

令和5年現在は、ガス・水道費の高騰で赤字の事業所が多くなっています。

人事評価が難しい

介護職は実績や評価を数値化するのが困難で人事評価が難しいと言われます。

介護士の成果が施設の売り上げに結びつく機会はほとんどなく、評価が結果よりプロセスによりがちだからです。

私の職場の人事評価はざっと次のような項目があります。

  • 会社の理念を理解しているか
  • マナーについて
  • 利用者への対応
  • 介護技術
  • 育成
  • 勤務態度
  • 行動に対する成果
  • 介護の知識
  • 目標に対する自己評価

ほとんど数字で表せない評価ばかりです。

現場では「上司に気に入られた職員の評価が高い」と皮肉をいう人もいます。

かくと
かくと

とは言っても、数字で評価してくれる介護事業所も存在します。

私の経験では、委員会で「事故を減らす」という目標に取り組み、達成してボーナスで還元されました。

現役介護士が給料の安さを感じたとき

豚のチョキ箱にわずかな給料と明細の写真

私が13年以上の経験で「介護職は給料が安い」と感じたケースは以下。

施設の裁量で変動する介護処遇改善加算

基本給の低い介護士の給料は、介護処遇改善加算の割合が大きく影響します。

加算の分配は各施設の裁量で決められ、事業所によって変動。

職員に対する説明を義務付けられていますが、私の職場は説明を受けていません

給与明細を見ても、以下のように加算手当がどのような形で分配されているかとても分かりにくいです。

2019年より特定処遇改善加算、2022年より介護処遇手当の枠が追加されました。

しかし、実際には枠が追加されただけで、2019年以前と総所得に大きな変化は見られません。

かくと
かくと

正直なところ、なんの説明もなく「不誠実だな」という印象を持っています。

X(旧Twitter)では、もっと大変な職場で仕事をされてる方もいらっしゃいました。

介護処遇改善加算とは
介護職員の賃金改善を目的に増設された加算です。施設が職場の環境やキャリアupシステムを整えたり、福利厚生を整備することで国から報酬を受けられます。

経験年数が評価されにくい

多くの介護士は基本給と昇給率がともに低い傾向で、長く働けば給料が上がる仕組みではありません。

実際に一般介護職で年収500万を超えた私の職場も昇給率は1年で2,500円。

40歳以降は1年で1,500円の昇給が標準です。

日本労働組合総連合会によれば、2023年の企業全体の平均昇給率は10,923円。

介護職が、いかに給料が上がらない職種であるか示された数字です。

退職金が安い

介護職は退職金も安いです。

私の前職場は4年近く働きましたが退職金は0円でした。

現職場も10年働いて退職金が100万程度なので、おそらく手取り100万もいかないでしょう。

先日、元警察官の知り合いに「僕の退職金7年働いて200万すよ。やばくないですか?公務員っていうのは辞めさせないために退職金を低くしてるんすよ」という話を聞きました。

かくと
かくと

介護職って世間の金銭感覚とはズレたところにいるんだな・・・と、ショックもなく感じてしまった次第です。

介護職が給料を上げる方法(実体験含む)

コインが並んでいる。上に上昇する折れ線グラフ

介護職が給料を上げる方法の中で、再現性の高い方法を以下にまとめました。

転職する

給料を上げるための最初のステップは転職です。

もし本気で給料を上げたいなら、あなたが通える範囲で一番待遇が良い事業所で働く必要があります。

実際に私自身も転職を通して年収をあげ、今では一般介護職でも年収500万を超えています

私の元同僚は転職1年目で年収150万アップさせました。

珍しい例ですが、転職の効果は計り知れません。

例えば、日本では普通の庶民でもタイに行けばちょっとお金持ちになれます。

転職は同じくらいのラフさで年収アップが期待できるのです。

しかも無料で・・・

給料が低いことを嘆いて何もしないのは、種もまかずに収穫を期待するようなもの。

はっきり言ってしかありません。

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転職して出世する

年収150万アップした私の元同僚はリーダー候補で転職しました。

1年経たずして更に上の課長クラスの役職に昇格しています。

待遇が良い職場で出世すれば大幅な年収アップも夢ではありません。

同じ努力をしても、職場次第で大きく収入が変わるのが現実です。

転職と出世で収入アップするポイントは以下の記事で詳しく解説しています。

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副業する

副業は可能性を広げ、稼ぐ力が鍛えられます。

転職のように一朝一夕で上手くいく可能性はないですが、収入源を増やしたい人にはおすすめです。

副業で本業以上に稼いでいる人もいますが、本業以外の収入があるだけで心は安定します。

私が実際に稼いだ経験やおすすめの副業も含めて以下の記事で解説しているので、気になる人は参考にしてください。

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副業が職場にバレない方法は、下記の記事で解説しました。

介護副業はバレる?誰にも知らせない安全安心な3つの対策!

まとめ

ホワイト介護部 オリジナル画像

介護職の給料が安すぎる理由

  • 行政の財源による問題
  • 介護保険制度の仕組み
  • 内部留保費の問題
  • 介護士の専門性に対する評価
  • 事業所の努力で利益を上げるのが難しい

給料を上げるためには今の働き方を疑うことが大切です。

比較・検討して効率の良い働き方を見極めましょう。

物価も上昇し介護士にとってはますます厳しい時代に入ったと私は感じています。

誰かに期待するのではなく、給料は自分で上げていく時代です。

給料を上げたい人は、私も転職を成功させたレバウェル介護に相談してみてください。

給料アップはまだ間に合います

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バツイチ子一人14年目介護士の「かくと」です。辞めたい期間が長かった私だからこそ、失敗しない職場の選び方をお伝えできます。ブラック施設とホワイト施設で働いた経験から業界の本当のことを話します。あなたにあう職場で介護職を楽しんでほしいです!

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