介護士の給料は上がる?賃上げの背景と2025年以降の見通しを徹底解説!

- 介護士の仕事にやりがいはあるが給料は見合っていないと感じる
- 2024年の賃上げで自分の給料は本当に上がったのか知りたい
- 介護士の今後の見通しや自分で給料を上げる方法がわからない
介護士の給料は国の施策で改善傾向にあります。しかし、将来の見通しがわからず、このまま介護士を続けることに不安を感じている人も多いです。
この記事では2024年の賃上げの最新情報や今後の見通し、自分で給料を上げるための具体的な方法を解説。
記事を読めば介護士の給料の動向や、給料を上げるために必要な行動がわかります。
国の施策により介護士の給料は2024年以降も上がる見込みです。介護士が給料を自分で上げるには、資格取得や職場選びが有効です。
介護士の給料に関する現状と賃上げの背景

介護士の給料に関する現状と賃上げの背景について以下の項目を解説します。
- 介護士の平均給料は年々上昇している
- 介護業界の需要増と人手不足が見込まれている
介護士の平均給料は年々上昇している
「介護士の給料は低い」というイメージを持つ方もいますが、介護士の給料は年々上昇傾向にあります。
国が介護士の待遇改善を目的として、給料を上げるためのさまざまな取り組みを進めているからです。
厚生労働省の調査によると、令和4年度の常勤介護職員の平均給料は月額318,230円で、前年度から5,110円増加しました。以下の国の制度により介護士の給料が増加しています。
- 介護職員処遇改善加算
- 介護職員等特定処遇改善加算
- 介護職員処遇改善支援補助金
国の制度によって介護職員の給料が着実に増加する仕組みが整えられています。
長期勤務により給料がさらに高くなるデータもあり、介護士が安定して働き続けられる環境づくりも進められています。
介護業界の需要増と人手不足が見込まれている
介護業界では今後ますますサービスの需要が高まる一方で、深刻な人手不足が続くと予測されています。日本は高齢化が急速に進んでおり、介護を必要とする方が急増するためです。
2025年には団塊世代の方が75歳以上となるため「2025年問題」として国や自治体は深刻な状況と認識しています。
国の推計によれば2025年度には約243万人の介護職員が必要とされていますが、介護職に就く人材は需要に追いついていません。
2040年度には約69万人の職員が追加で必要になると見込まれており、介護に携わる人材の確保は社会全体の重要な課題です。
介護需要の増加と慢性的な人手不足が介護士の価値を高めています。優秀な人材を確保するため、国を挙げて介護職員の待遇改善が進められています。
2024年に行われた施策で介護士の給料は上がった

2024年に国を挙げて行われた介護士の賃上げの背景について以下の内容を解説します。
- 介護報酬改定で月6,000円の賃上げが実現
- 処遇改善加算により継続的な収入増の仕組みが強化
介護報酬改定で月6,000円の賃上げが実現
2024年2月から国の新しい取り組みによって介護職員の給料が月額平均6,000円上がりました。
政府が経済を良くするための一環として「介護職員処遇改善支援補助金」という制度を開始したためです。国から介護事業所へ支払われる補助金が、職員の給料の増加に充てられます。
介護職員処遇改善支援補助金は期間限定の措置です。補助金の配分方法は各介護事業所の判断に委ねられ、パートやアルバイトの職員も補助金の支給対象に含まれました。
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処遇改善加算により継続的な収入増の仕組みが強化
2024年6月から始まった新しい処遇改善加算により、3つに分かれていた制度が「介護職員等処遇改善加算」にまとめられました。
制度が一元化されたことで介護事業所は国からの支援を受けやすくなり、職員の給料に適切に反映される仕組みになっています。
介護職員等処遇改善加算の導入によって、介護事業所には職員の昇給の仕組みづくりや職場環境の改善が求められます。
1つの介護事業所で長く勤務したり、キャリアアップに努めたりすることが給料を上げるために効果的です。
2025年以降も介護士の給料は上がる見通し

2025年以降の介護士の給料に関する見通しは以下のとおりです。
- 2.0%のベースアップの目標が設定されている
- 2025年問題のため待遇改善の強化が求められている
2.0%のベースアップの目標が設定されている
2024年の賃上げに続き2025年度にも介護職員の給料は上がる見込みです。
政府は2024年度の賃上げに続く追加の待遇改善策として、給料を今より2.0%引き上げるという新しい目標を掲げています。
追加の政策には介護職と他職種との給料の差をなくして介護に携わる人材を確保し、長く働き続けてもらう目的があります。
給料アップに必要な予算は2025年度に予定されている介護サービスの料金見直しによって準備される見通しです。
介護職員の待遇改善に向けた国の動きは経済対策の一環としても進められており、今後も継続的な給料アップに期待が持てます。
2025年問題のため待遇改善の強化が求められている
2025年問題に備えるため国は介護職員の待遇改善をさらに強化していく見込みです。2025年には介護を必要とする方が急激に増える一方で、介護職員が約32万人足りなくなると予測されています。深刻な人手不足は日本の介護サービスに大きな影響を与える問題です。
施設で働く介護職員を確保し、安心して長く勤務できる環境を整えるためには給料アップを含む待遇の改善が欠かせません。
介護サービスの質を保つためにも長く勤務できる介護職員の確保は不可欠です。社会全体として介護業界を支える動きが活発にあるため、さらなる給料アップや待遇改善が期待されています。
介護士が給料を上げるための5つの方法

介護士が給料を上げるための方法は以下のとおりです。
- 資格取得によりキャリアアップする
- 夜勤回数を増やす
- 長期勤続による昇給を目指す
- 管理職への昇進を目指す
- より高収入の施設へ転職をする
資格取得によりキャリアアップする
介護の資格を取得すると給料を増やしながらキャリアアップを実現できます。新たな資格の取得は専門的な知識やスキルを持つ証明になり、資格手当や昇進につながるためです。
キャリアアップと収入増加が期待できる介護の資格は以下のとおりです。
- 介護職員初任者研修
- 介護の基本的な資格で、訪問介護など専門性の高い業務を行えます。
- 介護福祉士実務者研修
- 介護事業所のまとめ役である「サービス提供責任者」になるための条件を満たせるようになります。
- 介護福祉士
- 介護分野で唯一の国家資格です。資格手当による月収の増加や管理職への昇進につながります。
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 利用者一人ひとりの介護計画(ケアプラン)を作成する専門職です。現場業務から相談業務中心の仕事へのキャリアチェンジも目指せます。
計画的な資格取得は着実に給料を上げる近道です。取得した資格は全国で通用するため、より条件の良い職場へ転職する際にも大きな強みになります。
夜勤回数を増やす

夜勤の回数を増やすと効率よく給料を上げられます。介護士の夜勤には普段の給料に加えて1回当たり5,000~10,000円ほどの夜勤手当が付くためです。
さらに収入を増やしたい場合は夜勤専門の「夜勤専従」という働き方を選ぶことが効果的です。
ただし、夜勤は生活リズムが不規則になりやすく、心や体への負担が大きくなる可能性もあるため注意が必要です。
現在の職場で夜勤の回数を増やせるか、就業規則を確認したり上司に相談したりすることから始めてみましょう。
長期勤続による昇給を目指す
同じ職場で長く働くことも、給料を上げるための確実な方法の一つです。多くの介護施設には勤続年数に応じて給料が上がる仕組みや手当が設けられています。
長く勤めることで職場からの信頼を得やすくなり、責任ある仕事を任される機会も増えます。長期勤続により給料が上がる要因は以下のとおりです。
- 定期的な昇給
- 勤続手当
- 役職手当
1つの職場で地道に経験を積むことは、介護士として安定した収入の土台を築く助けになります。
管理職への昇進を目指す

管理職への昇進は給料を上げるための有効な方法です。リーダーや施設長といった役職は現場の仕事に加えて、スタッフの育成や施設の運営といった、より広い視点で業務に携わります。
管理職は役職手当がつくので収入アップが期待できますが、求められるスキルや業務に伴う責任は大きくなります。
管理職を目指す場合は以下の行動を心がけることが有効です。
- 上司への意思表示
- 後輩の指導
- チームのマネジメント
- 資格の取得
- 研修への参加
管理職を目指すうえで身に付くスキルは日頃の業務の効率化にも役立ちます。
より高収入の施設へ転職をする
今の職場よりも給料が高い施設へ転職することは収入を上げるための有効な手段です。介護施設の基本給や賞与、各種手当は運営母体や提供するサービスの種類によって大きく異なります。
給料の高い職場に転職すれば、同じ勤務内容でも給料が上がる可能性があります。
給料アップを目指して転職先を探す際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 介護度の高い施設
- 大手企業が運営する施設
- 都市部の求人
- 手当や賞与が充実している施設
- 処遇改善加算(上位)の介護事業所
自分で条件の良い求人を探すことが難しい場合は、介護業界に特化した転職エージェントの活用がおすすめです。
一般には公開されていない求人を紹介してもらえるほか、給料交渉のサポートも転職エージェントに依頼できます。

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介護士の給料に関するよくある質問

介護士の給料に関する以下の質問に回答します。
- 介護士の給料は今後どれくらい上がる見込みがある?
- 介護福祉士の給料が他の介護士より高い理由は?
- 地域によって給料は変わる?
介護士の給料は今後どれくらい上がる見込みがある?
介護士の給料は2024~2025年の2年間で月額1万円以上の増加が見込まれます。
国は介護職員の給料を上げるための目標を立てており、2024年2月に1人当たり月額平均6,000円の賃上げが実施されました。
政府は今後も介護業界全体の給料を底上げする計画を進めています。国が掲げている目標は介護職員の給料を2024年度は2.5%、2025年度は2.0%ベースアップすることです。
目標が達成されると、現在の平均給料をもとに考えた場合、2年間で月額1万円以上の給料アップにつながる可能性があります。
ただし、介護職員の賃上げは「処遇改善加算」という国の制度を通じて支払われるケースが一般的なため、実際に増加が見込まれる金額は勤務先や個人の状況に応じて異なります。
介護福祉士の給料が他の介護士より高い理由は?

介護福祉士は専門的な知識と技術を持つ国家資格です。介護福祉士の資格取得により担える業務の幅が広がり、ほとんどの施設で基本給に加えて資格手当が支給されます。
技能や経験が高く評価されるため、国からの処遇改善加算は介護福祉士の方が多く支給される傾向があります。
介護福祉士はリーダーやサービス提供責任者といった責任ある役職に就く機会が増えやすく、役職手当が加算されることが一般的です。
介護福祉士の資格が応募条件となっている求人は、基本給が高めに設定されているケースが多いことも給料が高くなる要因の一つです。
地域によって給料は変わる?
介護士の給料は働く地域によって異なり、東京や大阪のような都市部では給料が高く、地方は低くなる傾向があります。
地域ごとに最低賃金や物価が異なることから、一般的に都市部の方が給料も高く設定されるケースが多いためです。
介護サービスに支払われるお金(介護報酬)は物価や人件費が高い都市部ほど高く設定されます。
都市部は介護報酬が高く介護職員の給料に反映されやすいことも、都市部の介護士の給料が高くなる要因の一つです。
制度だけに頼らず自分に合った方法で介護士の給料を上げよう

介護士の給料は国の制度による賃上げにより上昇しており、自分で給料アップのために行動することでさらに収入を増やせます。介護士が給料を上げる方法は以下のとおりです。
- 資格取得によりキャリアアップする
- 夜勤回数を増やす
- 長期勤続による昇給を目指す
- 管理職への昇進を目指す
- より高収入の施設へ転職をする
ライフスタイルや将来のキャリアに合った方法を選び、給料アップのために行動を始めましょう。