「優しい人は介護の仕事に向いてない」と言われてしまったあなたへ
介護士をやってみたい人は、祖父母との良い思い出がきっかけの人も多いのではないでしょうか?
子供の頃に触れたあの優しさは、いつまでも忘れることなんて出来ませんよね。
でも、優しい人は介護職に向いてないという話もあるけど実際はどうなの?
13年以上、介護士をした僕は「優しい人が介護の仕事に向いている」と自信をもって言えます。
逆に優しくない人は向いていません。
しかし、優しい人がブラック介護施設で働くと心を病んでしまう可能性があるので職場選びは重要です。
本記事では、優しい人が介護職に向いてないという誤解を解いて、優しい人こそ介護職に向いている理由を解説します。
優しい性格は介護士にとっての価値です。記事を読めば弱点ではなく、大きな強みとして現場で活かす方法がわかります。
優しい人が介護職に向いていないと言われる理由
優しい人は介護職に向いてないと決めつける人がいますが、たとえば以下のような理由です。
対処法とあわせて解説します。
性格がキツい職員がいるとき
性格がキツい職員はたまに存在します。
介護職は優しい人が多いというイメージなので、キツい性格の職員に出会うと優しい人はショックを受けるでしょう。
でも他の仕事と同じで、すべての人の性格がキツいわけではありません。
むしろ、優しい人の方が多いので安心してください。
もしきつい性格の人に出会ってしまったら、上司に相談。
良い上司ならすぐ解決のために行動してくれます。
そもそもキツい性格の職員に出会わないために、職場の雰囲気を知ってから転職するのが正解です。
事前に職場の雰囲気を教えてもらうならレバウェル介護に聞いてみてください。
無料で使える施設情報にくわしい転職エージェントです!
利用者さんの希望に応えることができないとき
優しい人は利用者さんの希望に応えられないとき、感情移入して悲しい気持ちになることもあるでしょう。
利用者さんのなかには、日々さまざまな感情と向き合いながら生きている人がたくさんいます。
- 身体が思い通りに動かなくなった悲しみ
- 家に帰りたくても帰れない寂しさ
- 記憶がなくなっていく苦しみ
介護士にはお手伝いできること、出来ないことがあり、すべての希望に応えるのは不可能です。
感情移入しすぎて仕事が辛くなるのは避けなければいけませんが、その想いこそ優しい人が介護職に向いている理由でもあります。
私自身は、とにかく悲しみや痛みをそらすような関わりを意識しています。
時と場合によってはじっくりと話を聞くのも大切です。
断りにくい仕事を頼まれたとき
断りにくい仕事も引き受けがちなのが優しい人の特徴ですよね。
頼まれた仕事を一人で抱え込むと、優しいあなた自身がストレスで潰れてしまう可能性があります。
介護職は急に無理なシフトを頼まれたり、突然予定を変更されたりすることも珍しくありません。
ハッキリと断る人が多い状況では、いつもイエスと言ってくれる優しい人に仕事が多くなりがちです。
無理をしてあなたが倒れたら大変です。
上手に断る技術を学べると良いですね。
断り方に困ったときはYouTubeで「仕事の断り方」と検索してみてください。
また本記事をブックマークしておくと、あとで見返せるので便利ですよ。
人に仕事を頼めないとき
人に仕事を頼むのが苦手なのも優しい人の特徴です。
人としては素晴らしい美点ですが、キャパオーバーで周りに迷惑をかけてしまっては元も子もありません。
相手を選べば案外、快く引き受けてもらえるものです。
私も仕事を頼むのは苦手ですが、あっさりと引き受けてもらえて拍子抜けするケースは多いです。
「一応、ダメもとでたのんでみるか」くらいの軽い気持ちでお願いしてみてください。
頼んだ人が困っているときに助けてあげれば良い関係性も築けます。
困ったら「人に仕事を振る方法」と検索してみてください。
仕事で失敗をしたとき
仕事での失敗は、優しい人にとって大きな打撃です。
自分の行動が他人に影響を与えるのを深く気にするため 、必要以上に失敗を重く受け止めてしまうこともあるでしょう。
しかし、薬の内服管理など責任重大な仕事がある介護職にとっては「失敗を重く受け止める」という能力はとても重要です。
小さな失敗にクヨクヨ悩まず、大きな失敗を起こさないように能力を活かしてみてください。
周りの人間関係に振り回されるとき
他人に気を使ってしまう優しい人にとって、人間関係の問題は大きなストレスになるでしょう。
周りの意見に流されて、自分の価値観を見失ってしまうことがあるかもしれません。
人間関係が良くない介護施設には、以下のようなタイプの人がいます。
- 文句が多い職員
- 横柄な職員
- 仕事をサボる職員
自分の意に反して 同調ばかりしていると心が疲弊します。
「色々あるんですねぇ・・・」というような、どっちつかずの言葉を使い、嫌な場面を切り抜けるようにすると良いでしょう。
介護職の悪口対策については「介護職は悪口ばかり?いじめに負けない対処法5つと自分を守る選択」でくわしく解説しています。
優しい人が介護職に向いている理由
優しい人が介護職に向いている理由は次のとおり。
- 利用者さんに優しくできる
- 人のことを考えて仕事ができる
- 気づく力がある
順に解説します。
利用者さんに優しくできる
利用者さんに優しくするのは介護職の基本です。
しかし、わがままな利用者さんや認知症の利用者さんの行動に強い態度を取ってしまう介護職員がいるのも事実。
いつでも優しさを発揮できる人は多くの介護職のお手本となります。
13年以上、介護士を経験した私の確信の一つに次のようなものがあります。
利用者さんに優しく接する介護士が最も尊敬される存在で、その様子をみてくれている人は絶対にいます。
人のことを考えて仕事ができる
他の職員のことを考えられる優しい人は介護職に向いています。
優しい人は協調性があり、周りと協力して業務を遂行していける力が備わっているので、現場で活躍できる素質は十分です。
交代制勤務の介護職は、自分の前に仕事をした人の影響を受けやすいので、次の人のことを考えて仕事ができる優しい人は信頼を得やすいでしょう。
正直、私には協調性が欠けていて、共感する力だけでチームワークを維持している人間なのでうらやましく思っています。
介護職の仕事内容と種類については以下の記事でくわしく解説しています。
気づく力がある
優しい人には介護職に必要な気づく力があります。
気づく力とは困ってる人を見つける力、 体調が悪そうにしている人に反応する力です。
気づく力は介護現場において、命を助ける早めの対応につながり、転倒を防ぐための危険予知能力としても活躍します。
実際に気づく力がある人は、介護現場では信頼の対象です。
利用者さんに限らず、人の痛みや苦しみに対して早めに対応できる素晴らしい能力なので、自信をもってくださいね。
介護職に向いている人についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
現役介護士が監修!介護職に向いてる人と向いてない人の特徴と性格
優しい人が向いている介護施設(事業所)
優しい人が働きやすい介護施設はどこですか?
「優しい人は介護職に向いていないと言われる理由」で解説した対処法を行えばブラック介護企業以外は向いていると言えます。
もし限定して選ぶのであれば、以下の施設はとくに働きやすいかもしれません。
- 訪問介護
- デイサービス
- グループホーム
- ホワイト介護施設
順に解説します。
離職率の高いブラック介護施設は強いストレスがかかるので、優しい人には不向きです。
これから転職を考えている人は『介護転職成功者のおすすめエージェントランキング!』を読んで、離職率の低い介護企業を探してみてください。
訪問介護
訪問介護は優しい人にとって最適な仕事です。
一対一のケアが中心で利用者さんとの深い関係を築けます。
施設に比べて職員との関わりが少ないという点で、人間関係のトラブルに巻き込まれるのが嫌な人に向いています。
私の知り合いにも訪問介護をしていた人、特養から訪問介護へ転職した人を知っていますが、悪い話は聞いたことがありません。
先日も「訪問介護いいよ。固定休みで夜勤もないし、サ責(サービス提供責任者)になれば給料も高めだよ」という誘いを受けました。
私自身も人間関係が得意ではないので、将来的には訪問介護を考えています。
デイサービス
デイサービスは優しい人に向いている職場です。
夜勤がないので心身のバランスを保ちやすいのも良いところ。
趣味活動やグループワーク、イベントが盛りだくさんの暖かい雰囲気は、優しくて繊細なあなたも気持ちよく働けるでしょう。
私が働く職場にはデイサービスも併設されています。
デイサービスの職員はひときわ明るく笑顔が印象的な人が多いです。
利用者さんとの楽しい時間も多く共有できるので、転職先の候補として考えてみてください。
グループホーム
グループホームは優しい人には理想的な職場環境です。
少人数の高齢者が共同生活をする場で家庭的な雰囲気があります。
グループホームでは優しい人の暖かさや柔らかい雰囲気をもった特徴を大いに活かすことができるでしょう。
SNSのX(旧Twitter)では次のような意見がありました。
ほんまにめんどい💦
— あざらし (@V7N9ymn84pnu5di) January 16, 2024
前のグルホとかすんごい楽だった💦
今日の夜勤はグルホやから起床介助3人だけやし楽よ〜
— りょうこ0921🦫❤️🍨次バニラズ幕張2days (@ryoko0921yoshi) December 31, 2023
※グルホとはグループホームのことです
私も介護士を始めてまもないころに研修でグループホームを体験しましたが、めちゃくちゃ楽しそうでした。
今後は訪問介護かグループホームどちらかに転職したいと悩んだりしてます!
ホワイト介護施設
ホワイト介護施設は誰もが働きたい介護施設ですが、優しくて繊細なあなたなら誰よりもホワイト介護施設が向いています。
ホワイト介護施設の特徴は次の5つ。
- 離職率が低い
- 労働基準法を守っている
(サービス残業がない・有休消化率が高い) - 明確な評価制度がある
- 相場よりも給料が良い
しかし、特徴がわかっていても実際にみつけるのは簡単ではありません。
求人誌や求人サイト、ハローワークよりも確実にホワイト施設を探す方法は転職エージェントに頼ることです。
なぜなら「求人数」「内定までのサポート」「資金がないブラック企業が広告を出しにくい」という点で、仕組化されているからです。
5つの特徴すべてを満たそうとせず、離職率が低い施設を中心に探してもらってみてください。
介護職をはじめて不安になりやすい時期
介護職を始めるか悩んでいるあなたに、始めたあとで不安になりやすい時期(ポイント)をお伝えします。
でも、心の準備をしておけば乗り越えられます。
はじめたばかりのとき
はじめたばかりのときは誰にとっても不安です。
初めての仕事、慣れない環境でストレスを感じるのは自然なこと。
利用者さんや職員の顔と名前を覚えるだけでも大変ですが、優しい人は相手を思いやる気持ちがあるので仕事を覚えるのは早いと思っています。
一般的な職場なら2ヶ月から3ヶ月は教えてくれる人がいるので安心してくださいね。
夜勤がはじまったとき
多くの人が初めての夜勤は不安になります。
一人で夜勤をする施設なら、とくに次のようなことが心配になるでしょう。
- 夜間、利用者さんが急変したらどうしよう
- 巡視のときに亡くなっていたらどうしよう
- 朝まで安全に過ごせるかな・・・
夜勤は日勤の仕事に慣れたあと、3回から4回を目安に先輩が付いて教えてくれます。
優しい人は責任感が強い人が多いので、むしろ夜勤向きの人が多いです。
私たち介護職員がやるべきことは明確なので、もしものときがあっても過度にあせる必要はありません。
なかには人手不足ですぐ夜勤にいれられる施設もあるので、絶対、転職のプロに相談してみてくださいね!
まとめ
優しい人は誰よりも介護の仕事に向いています。
「優しい人は介護職に向いてない」という意見は、一部の施設に限られるはなしです。
一部の施設というのは、人間関係の複雑さが予想できる離職率の高いブラックな介護施設。
このような施設は繊細で優しい人には不向きかもしれません。
優しい人が自分にあった職場を見つけるためには次のような点に注意してください。
- 離職率が高くない
- 職場の雰囲気が良い
- 面接官が優しい
雰囲気が良い施設や面接官が優しい職場は、私の経験では大枠をはずしません。
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途中退会も可能でノーリスク
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